シロアリ被害について耳にしたことがある人は多いことでしょう。しかし、実際に自分の家をシロアリから守るためにはどのように予防すればいいのでしょうか。

シロアリを予防することは、シロアリが好まない環境を作り上げることでもあります。このことから、シロアリ予防をするとほかにもメリットがあります。ここでは、シロアリ予防とそれに付随したメリットについて紹介します。

目次

シロアリはどうやって予防するの?

シロアリの対策方法は大きく分けて3つあります。

1つ目は、シロアリが食害する建材の木部処理を行うことです。薬剤は乳剤や油剤、スプレーなどが市販されています。
フェンスやウッドデッキなど雨風にさらされる所には油剤、床下などには効き目の長い乳液など、使用場所に合わせて薬剤を選びましょう。

2つ目は、シロアリの侵入経路である土壌処理を行うことです。
建物の基礎や束石周辺などシロアリが侵入する経路となり得る場所を薬剤で処理します。
薬剤には水で希釈する乳剤や、そのまま撒くタイプの粒剤、スプレーなどがあります。
木部処理や土壌処理を行う際には、ペットや魚、小さな子供へ影響がないよう十分注意しましょう。

3つ目は、ベイト工法と呼ばれる方法です。
ベイト工法とはシロアリ駆除剤をいれたステーションと呼ばれる容器を設置して、シロアリが駆除剤を巣に運んで摂食することで駆除する方法です。
木部処理や土壌処理に比べて薬剤による環境への影響が少なく、テープで固定したり、土に埋めて使ったりと使い方も簡単であるという特徴があります。

これらの方法は市販の薬剤を購入して自分で行うこともできます。
しかし、シロアリは駆除方法を誤るとその被害が短時間で拡大する可能性もあるため、自信がないときには専門の業者に依頼する方がより確実といえるでしょう。
また、シロアリを予防するとほかにもいくつかのメリットがあります。

シロアリ予防はどうやって?

メリット1:家の劣化を防ぐ

シロアリは暗く湿っていて、温かい場所を好む習性があり、こういった場所はシロアリによる食害と同時に腐朽が進んでいく可能性があります。
シロアリを予防するには薬剤を使用するほか、こういったシロアリが発生しやすい環境を改善することも必要です。
つまり、シロアリを予防することは、同時に建材などが腐朽しやすい環境を改善し家の劣化を防ぐことにも繋がります。

具体的な方法としては、土地の湿気が建物まで上がってこないように防湿シートを敷くことや、浴室やトイレ、台所の床下といった湿度が高くなりがちな部分の水漏れなどを改善することが挙げられます。
ユニットではなく在来工法による浴室などは時間が経つにつれ高い確率で水漏れが起こるので特に注意が必要です。
また、シロアリを予防する目的で使用される乳剤や油剤、スプレーなどの薬剤の中には防腐効果のあるものがあります。
シロアリは木材を食害し、なかでも腐食の進んだ木材を好む傾向があるため、シロアリを予防するうえで建材の腐朽を避ける必要があるためです。

こうしたことから、シロアリの予防は家の劣化を防ぐ処置も兼ねており、大切な家を長く快適な環境で維持する効果が期待できます。
築年数が長くなると家の劣化や腐朽は避けられない部分もありますが、これらはシロアリにとっても格好のすみかだということを念頭に対策を立てていきましょう。

メリット2:耐震性の維持

日本は地震が多いことで知られており、家を建てる際にも耐震性を考慮しています。
しかし、この耐震性もシロアリの被害にあうと大きく低下してしまう可能性があります。

日本には何種類かのシロアリが分布しており、なかでも多くみられるのは、ヤマトシロアリとイエシロアリです。
ヤマトシロアリは北海道北部を除くほぼ全国に分布し、建材を食害した部分に巣を作ります。

一方、イエシロアリは関東以西に分布し、建物の下や土の中に大きな巣を作ります。
どちらも、土の中を通って住居に近づき、その後建物の基礎や束石周辺などを通って建材を食害するのが特徴です。
そのため、柱の下部などに空洞を作り耐震性を著しく低下させることがあります。
また、食害が建物全体に及ぶこともあり、地震だけでなく台風の被害を増大させることもあるので注意が必要です。

特にシロアリは建材の内部を食害し、気づいたときにはかなりの範囲に被害が拡大していることもあるため、定期的な点検と予防が欠かせません。
つまり、シロアリを予防することが、地震や台風といったもしものときに家を災害から守ることに繋がるのです。
家が倒壊してからシロアリの被害に気付いたということがないように、築年数が長くなることによる劣化、家周辺に古い材木を置くなどのシロアリが好む環境、羽蟻が飛ぶなどの兆候に気を付け、大切な家を守りたいものです。

まとめ

シロアリの予防方法は大きく分けて、木部処理、土壌処理、ベイト工法の3つです。
同時に、家の基礎や周辺にシロアリが好む薄暗く高温多湿の環境を作らないことが大切です。
これらの予防策を行うことはシロアリによる被害を防ぐだけでなく、家の劣化を防いだり、地震や台風などの災害時に家を守ったりするというメリットもあります。

大切な家を守るため、シロアリ予防を検討してみてはいかがでしょうか。