住宅がシロアリ被害に遭うのを防ぐためには、早期発見と早期駆除を行うことがとても大切です。
住宅にシロアリがいるかどうかの見分け方を知っていれば、シロアリ対策で後手に回ることはありません。

この記事では、誰でもできるシロアリ被害の見分け方や、
もしシロアリ被害に遭ってしまった場合に何を基準にして業者を呼べばよいのかについて解説します。

目次

羽アリが飛んでいたら要注意

シロアリは、アリやハチのように群れをつくる習性がありますが、分類上はゴキブリと同じ仲間(ゴキブリ目)に属します。日本にいるシロアリは20種類以上に及び、住宅に被害を与えるのはほとんどが「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」です。ヤマトシロアリが一度住宅の木材に住みついてしまうと、数千~数万頭という比較的小規模のコロニー(巣)をつくって木材を食い荒らします。一方、イエシロアリは数百万頭もの大規模なコロニーを形成します。シロアリの群れが大きくなると、新しいコロニーをつくるために羽アリが飛び立ちます。家の近辺で羽アリを見かけた場合は、シロアリ被害が近くですでに発生しているか、シロアリがどこかに住みつく可能性があるということです。すぐに被害家屋の点検をするか予防を行うことが必要です。

羽アリが飛び立つ時期はシロアリの種類によって異なります。ヤマトシロアリは4~5月の午前10時~昼の12時頃、イエシロアリは6~7月の薄暗くなる時間帯に一斉にコロニーを飛び立つ姿が見られます。また、ヤマトシロアリは雨が降ったあとの晴れた日に飛ぶことが多く、イエシロアリは電灯の近くに集まることが多いのも特徴です。シロアリは太陽の光を嫌うため木材の内部や地中で生活をしていますが、4~7月の時期だけは羽アリが飛び立ちます。そのため、シロアリの被害を見つけるならこの時期が最適なのです。

ただし、羽アリを見つけたといってもシロアリではなく黒アリの場合もありますので、見分け方を知っておきましょう。黒アリは後ろの羽より前の羽が大きく、触覚が曲がっており胴体にくびれがあります。それに対して、シロアリは前後の羽の大きさがほぼ同じで、触覚はまっすぐ数珠状になっており胴体はくびれのない寸胴です。このように、黒アリとシロアリは見た目が大きく違います。また、ヤマトシロアリの色は黒く、イエシロアリの色は茶褐色です。

住宅周りでのシロアリ被害の見分け方

シロアリが外に出てくるのは羽アリが飛び立つときだけですから、なかなか見つけにくいのが現状です。
しかし、シロアリは移動するときにトンネルを掘るのが習性で、これを「蟻道(ぎどう)」といいます。シロアリは地中の暗闇のなかでエサ(木材に含まれるセルロース)を求めて移動します。そして、たまたま住宅に行きついたシロアリは床下の土台などから蟻道を通って建物の上部を目指して上がっていきます。蟻道を辿ることで、シロアリのコロニーや被害箇所を見つけることが可能です。蟻道は土や糞などを材料につくられているため、色は茶褐色をしています。蟻道は地面から壁に沿って張り付いていることが多く、基礎コンクリートの土台部分の表面によく見かけます。蟻道は非常に硬いので指で簡単につぶすことはできません。

シロアリは乾燥が苦手で、じめじめした場所を好みます。
家の周りに腐った木やボロボロになった段ボールなどがある場合は、なるべく早く処分しましょう。これらはシロアリの好物であるため、放置しておくことで家にシロアリを寄せ付けやすくなります。また、置きっぱなしにしている植木鉢の下などにもシロアリがいることがあります。シロアリを予防するためには、風通しをよくすることが肝心です。

住宅内でのシロアリ被害の見分け方

羽アリは新しい住みかを決めると、羽を落として繁殖を行う習性があります。
部屋の隅に小さな羽を見つけた場合は要注意です。シロアリが侵入してしまっている可能性があります。また、窓際に木くずなどが落ちているときも、シロアリの被害をすでに受けていると考えたほうがいいでしょう。木くずといっしょに糞が混ざっていることも少なくありません。

柱や床を叩いてみて、一カ所だけ他の場所と音が違っているときや、内部が空洞になっているような音がする場合は注意が必要です。このほかにも、床板や畳がふわふわと沈んだ感じがする、浴室やトイレのタイルにひび割れが見られる、襖やドアの建付けが悪くなって開け閉めがしにくい、雨戸が軽くなったような感じがするなどの症状があるときも、シロアリの被害に遭っている可能性が疑われます。シロアリ被害に遭いやすい場所は、浴室・トイレ・洗面所・台所などの水回り付近の床・壁・柱や床下です。

シロアリ被害に遭っているかもしれないと感じたら、きちんと点検をしたうえで適切な処置を行わなければなりません。シロアリ駆除をするための薬剤なども市販されていますが、シロアリが壁のなかに入り込んでいる場合に薬剤をむやみに使うと、シロアリが警戒してさらに奥に侵入してしまい、駆除が余計に難しくなってしまいます。シロアリ駆除の専門業者に依頼して、点検と適切な駆除対策をとってもらったほうがよいでしょう。

まとめ

シロアリ被害を大きくしないためには、被害の見分け方を知ったうえで早期発見・早期駆除を行うのがポイントとなります。紹介した方法で調べた結果、シロアリ被害に遭っているかもしれないと感じた場合は、なるべく早く適切な点検と駆除を行いましょう。

しかし、素人では限界がありますので、シロアリ駆除の専門業者に依頼するほうが賢明ですし安心です。