庭木は、風情ある庭を作るのに欠かせないものです。

しかし、古くなったり傷みだしたりした庭木は、シロアリの恰好の住み家もしくはエサ場となってしまいます。
生えていなくても、切り株や木の根もシロアリの好物です。
もし木のそばに羽アリがいたり、不自然な穴や空洞を発見したら、シロアリの存在を疑った方が良いでしょう。

庭にシロアリがいても家までは来ないだろう、と思って放置しておくことは、大きなリスクになります。
具体的にどんな対策が出来るのかも、あわせて紹介します。

目次

庭木が抱えるリスク・放置するリスクとは

シロアリは本来、枯れた木や腐った木などを食べて土に還すという大切な役割を、自然界における生態系で担っています。
そのため生きている木よりも、伐採された木や枝、切り株などに多く集まります。

しかし時に、まだ元気な木や木材製品を狙う場合もありますので、人間にとっては敵となってしまいます。
ガーデニングや盆栽など、庭に植えたり育てたりしている木や、木製の柵もシロアリのエサになるリスクがあります。
特に雨に打たれる場所の木材は、シロアリが好む湿気も含んでおり、腐食しやすいため非常に危険です。

シロアリの被害に遭ってしまった木は中が空洞になったり、根に近い部分がスカスカに食い荒らされてしまうため弱くなっています。
そのまま放置していれば、台風や軽度の地震などで容易に倒れてしまう可能性があります。
自宅に倒れるならまだしも、隣近所に倒れて損傷させてしまえば、賠償責任が生じることになるでしょう。

また、あらかた庭木を食い荒らした後は家屋へ移動してくる可能性もあります。
往々にして、家屋の外周は通気性が良いため湿度が低く乾燥しています。
シロアリは乾燥を嫌うため、地中から侵入してきます。
そのため侵入に気が付きにくく、家へ来たら対処すれば良いから庭木は放っておこう、という訳にもいきません。

一度家屋に侵入されれば、駆除しない限り出ていくことはほぼありませんので、庭木の被害を確認した時点で対策が必要です。

できる対策方法

もし庭木にシロアリを確認したなら、速やかに伐採しましょう。
サイズによりますが、自分では困難な場合は造園業者へ依頼しましょう。
シロアリを居つかせないためには、根まで抜かなければなりませんし、伐採した後の木も簡単に処分できるものではないので、素人では対処に困ることでしょう。

また、シロアリが家屋へ移動してきていないかを必ず確認しなければなりません。
信頼のおけるシロアリ駆除専門業者を見つけ、床下点検を依頼しましょう。
多くの場合、点検のみであれば無料か、費用がかかっても1万円弱でしょう。

もし、まだシロアリを確認していないなら、次のような予防対策を講じることも効果的です。

1.庭木の根元や枝が腐食していないか、枯れていないかを定期的に確認し、必要なら伐採する。

庭木が腐ったり枯れたりすると、シロアリが寄ってくる可能性が高くなります。
庭木が枯れていたり腐ったりしているなら、伐採して処分するようにしましょう。
またその場合は、きちんと根から全て抜ききりましょう。
切り株や根はシロアリの好物のため、残しておくのは危険です。
今は健康と思われる木がまだ生えているのであれば、定期的な消毒やシロアリ忌避剤の散布などで、健康な状態を保てるように管理しましょう。

2.プランターや置物などの下を定期的に確認

ガーデニングでたくさんのプランターやオブジェなどを庭へ置いている場合は、定期的にその物をどけて、シロアリの姿がないかチェックしましょう。
色々な虫がいることもあり、物の下を見るのは気が進まないかもしれませんが、日が当たらず湿気もあるプランターの底は、シロアリが好む場所です。
土は黒く、シロアリは白いので、容易に見つけられるでしょう。

3.木を素材とするものを出来る限り庭へ置かない

おしゃれな木の柵はガーデニングに欠かせないアイテムかもしれませんが、多くの場合、雨風にさらされる場所へ設置するため、シロアリを寄せ付ける可能性があります。
最近ではシロアリ対策やコストダウンのために、素材がプラスチックで木目調の柵も販売されています。
また、ウッドデッキなどでも木材以外で造られたものが市販されています。
質感は多少劣る可能性がありますが、シロアリのリスクを大幅に軽減することが出来ます。

まとめ

定期的に庭木の健康状態や、敷地内にある木製の建具、家屋の外周を確認しましょう。
もしシロアリが見つかったなら、専門業者へ依頼して、点検や必要な駆除を行いましょう。

庭木のシロアリ被害を放置してしまうと、家屋へ浸入されたり、木の倒壊で近隣に迷惑をかけてしまったりする恐れもあります。