初めてのシロアリ駆除は、色々な不安を伴うものです。
どれくらい時間がかかるのか、どのように作業を進めるのか等、気になる点は多々あるでしょう。

一般家屋のシロアリ駆除には2種類の工法があり、工法によって所要時間や作業の流れが異なります。
この点を2つの工法別に、詳しく説明します。

目次

工法別の所要時間目安

シロアリ駆除には「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類があります。
一般家屋のシロアリ駆除では、多くの場合、「バリア工法」で作業されています。

家屋の構造や被害の程度などで多少前後しますが、バリア工法の場合、おおよその所要時間は次の通りです。

15坪前後の平均的な広さの家屋では、3時間~5時間程度。
20坪前後の広めの家屋で、おおよそ5~7時間ほどが目安です。

一般家屋でも、構造上床下が無い場合や、薬剤に特別な配慮が必要な住人がいる場合などに用いられるのが「ベイト工法」です。
ベイト工法には「管理型」と「駆除型」の2種類があり、施工方法が若干異なります。
前述のバリア工法よりも、少ない時間で作業完了することが多いようです。

工法別の特色

バリア工法とベイト工法は、作業方法が大きく異なります。
作業の流れを説明する前に、まずは特色についてご紹介します。

バリア工法はその名の通り、シロアリを寄せ付けないようにバリアするという形を取ります。
床下にむらなく薬剤を散布し、木材部分には直接薬剤を注入することで、現在発生しているシロアリを素早く駆除すると共に、外部から新たに侵入されることを防ぎます。
すでにシロアリが現れており、早急な対処が必要な場合に選択されます。
即効性があり、ベイト工法よりも施工費用がやや安価なことも特徴です。

対してベイト工法は、ベイト(エサ)を用いてシロアリを巣ごと根絶するための方法です。
ベイト工法はさらに2種類に分岐しており、「管理型」と「駆除型」に分かれています。

管理型ベイト工法では、庭や家の外周などに毒餌を入れた容器を埋め、シロアリがエサを食べなくなるまで監視します。
これは巣へエサを持ち帰って、仲間同士で分けながら食べるシロアリの習性を利用したものです。
これにより、巣を丸ごと根絶する効果が狙えます。
今はシロアリがいるかどうか分からないが、予防の意味でも何か対策をしておきたいという場合や、建具に穴を開けることに抵抗がある、または薬剤に過度に敏感な住人がいる場合などで選択されます。
シロアリがいるかどうかの判別がつくまでに1~3ヵ月かかる点から、即効性が求められる現場では不向きです。

駆除型ベイト工法は、シロアリの痕跡が見られる床下の箇所に毒餌を直接取りつけ、速やかに食いつかせて駆除することを図るものです。
すでにシロアリが確認されているものの、薬剤に関することや構造上の問題でバリア工法を選択できない場合などに駆除型ベイト工法が用いられます。

工法別・駆除当日の流れ

当日は、最終確認や工法別に必要な養生などを行ってから、作業が始まります。
まずは、バリア工法の施工手順をご紹介します。

  1. 1.生息場所や、シロアリがよく出現するエリアの木材に、薬剤を注入するための穴を空け、薬剤を高圧注入する。
  2. 2.床下全体に薬剤を散布し、薬剤バリアを施す。
  3. 3.床下から散布できない柱や屋根裏の梁には、1cm足らずの小さい穴を空けて、薬剤を高圧注入。
  4. 4.空けた穴を目立たないように補修し、後片付け。

次は、ベイト工法の手順をご紹介します。

  1. 1.家屋を囲むような形で、外周にシロアリが好むエサ木を入れた容器を約3m間隔に埋めて設置。
  2. 2.設置後、定期的に訪問し、容器の中のエサ木が食べられているかをチェック。
  3. 3.エサ木に食べられた跡があった場合には、エサ木を毒を含んだエサに置き換える。

ベイト工法での駆除は室内に入ることがないため事前の養生は不要ですが、バリア工法の場合は室内の床下収納庫などから床下へ入るため、養生や後片付けに時間を要します。

まとめ

シロアリ駆除の所要時間は意外と短く、多くの場合、1日もあれば十分作業が完了します。
特にベイト工法の場合は、室内に作業員が入ることもなく、かなり早く作業が終了します。

ベイト工法の作業の流れはシンプルで、バリア工法の方が流れとしては煩雑になります。