大切なマイホーム、日頃からメンテナンスをすることで長く安心して暮らすことができます。

しかし、思わぬときにシロアリを発見したり、床下の異変を感じたりすることがあるかもしれません。そんな時、シロアリの習性や退治のコツをマスターしていれば、自分でもDIY感覚で退治することが可能です。

そこで、初心者でも分かりやすいシロアリ退治のポイントを紹介します。
チェック場所や薬剤の選び方など退治に欠かせないコツを一緒にマスターしましょう。

目次

シロアリ退治の基本は被害状況の確認から

シロアリ退治を始める前に、マイホームがどんな状態になっているのか確認することが大切です。

春から初夏にかけて、羽アリを家の周りで見かけたりしませんでしたか。
シロアリは4月ごろから6月ごろに新しい巣を求めて羽アリとなって古い巣から飛び立ちます。  
つまり、家の周りや室内で羽のあるアリを見かけたら要注意なのです。

また、シロアリは直射日光や風などが苦手で、人目に触れにくい床下などを好みます。  
シロアリの被害状況を確かめたいなら、まずは床下を確認してみることがポイントです。

では床下のどこを見るのかというと、壁際や柱部分です。  
蟻道と呼ばれる幅5mmほどの土で作られたトンネル状の通路が地面から延びていたりします。  
そっと壊してみれば、中にシロアリが潜んでいるかもしれません。

蟻道を目で追い、床材や柱に到達していれば、木製ハンマーなどで軽く建材を叩いてみましょう。  
しっかりとした感触がなく、中身が弱々しくなっているとシロアリ被害が進行している可能性があります。

床下に潜る際は、釘などでケガをしたり汚れてしまったりするので、肌の露出の少ない動きやすい服装に着替え、また薄暗く身動きが取れなくなることもあるので無理をするのは避けましょう。

シロアリ退治の方法を知る

シロアリ退治の基本は、巣を根こそぎ駆除することです。

シロアリは日光を嫌い暗い場所を好むだけに、目に見えるシロアリは全体の一部でしかありません。

即効力のあるスプレー式殺虫剤などでも目視できるシロアリなら退治できますが、やはり巣に潜むシロアリまで想定した対策がポイントです。

そこで、薬剤を用いた駆除方法とベイト工法と呼ばれる駆除方法を状況に合わせて使い分けましょう。

住宅をシロアリから守るイメージ

シロアリ駆除剤は3つのポイントで選ぶ

シロアリを全滅させたいのであれば、見えないシロアリにまで効果が期待できる薬剤を選びたいものです。

薬剤に触れたシロアリが巣に帰って他のシロアリにも効果が伝達するネオニコチノイド系の成分を含んだ薬剤がおすすめです。  
伝播性の高い薬剤なら、目に見えないシロアリまでしっかりと退治できます。  
ただし、ネオニコチノイド系の薬剤はミツバチにも毒性が高く、養蜂家などは使用を控えるようにしましょう。

2つ目に薬剤選びで注意したいのは、避可性・不避可性と呼ばれる特性です。  
避可性の薬剤はシロアリを寄せ付けないため、予防に有効です。

一方、退治したいのであれば不避可性の薬剤が有効です。  
シロアリが薬剤を嫌がらないため、薬剤を巣まで持ち運んでくれ、巣を根こそぎ駆除することができます。

3つ目のポイントは遅効性のある薬剤を選ぶことです。  
害虫駆除剤の中には、即効性に優れているタイプもあります。  
もちろん、即効性タイプでも目の前のシロアリを駆除することは期待できますが、遅効性のタイプを選べば、薬剤を巣まで持ち帰らせることができ、他のシロアリにまで効力を拡大させられるのです。

もうひとつの退治法としてベイト工法がある

シロアリにはエサを分け与える習性があります。  
その習性を利用し、家の周りに毒性のあるエサが入った筒を地中に仕込み、駆除する方法がベイト工法です。

薬剤選びの3つのポイントをクリアした毒を使うことで、巣ごと全滅させることができます。  
しかし、シロアリを完全に駆除するまでに数カ月かかることもあり、筒の設置場所などによっては駆除効果が異なります。

特に、シロアリの種類によっては巣を作らないタイプもいるので、想定した効果を得られないケースもあります。

そのため、試しても効果が見られない場合には、経験のあるプロに相談してみるのがよいでしょう。

まとめ

日本には4種類のシロアリが生息していますが、いずれのシロアリも春先から初夏にかけ、気温が高くなった日に羽アリが巣立ちをします。
そのため、羽アリを見かけたら要注意。
シロアリは木造住宅だけでなく、鉄筋コンクリート造や鉄骨造でも被害が報告されているので、羽アリを発見したり、蟻道を見つけたときは、早めに対策をとるのが被害を拡大させないコツです。

また、紙や段ボールなどもシロアリは好むので、家の周りに長く放置しておくことは避けましょう。
シロアリを実際に発見した場合は、まず被害状況を確認し、自分で退治するときは薬剤選びやベイト工法などを使い分けると効果的です。
大切なマイホームがボロボロになる前に、シロアリについて知り、きちんと対策をとっていきましょう。