シロアリ駆除には、まず業者による調査と見積もりの取得、その後条件や金額の折り合いがつけば施工という段階を踏むことになります。

実際の駆除施工にかかる時間は、建物の坪数や被害状況、気候などによってもかなり左右されます。
そして、どのような工法を用いて駆除するのかによっても大きく異なります。
現在、家庭のシロアリ駆除に用いられているのは「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類です。
それぞれの工法で作業した場合、どのくらいの期間で駆除が完了するのかを紹介します。

目次

即効性と低コストで主流の「バリア工法」

「バリア工法」は、即効性と費用の面でメリットのある工法です。

まず床下全体にくまなく薬剤を散布して殺虫し、柱などに1cm未満の小さい穴を開け、薬剤を注入します。
施工後も、新たにシロアリが侵入するのを防ぐ効果があります。
即効性があるため、食害がかなり進んでいる場合はこの工法で施工することになるでしょう。

デメリットとして施工後1週間~10日は、意識的に換気することが勧められています。
また、化学物質過敏症やにおいに敏感な人、アレルギー体質の人が住んでいる家では、注意が必要な場合があります。

即効性はあるものの、地中にいるシロアリや巣までは薬剤が届かないため、巣を壊滅させることは出来ません。
再発していないか、定期的に点検が必要です。
そのため、バリア工法の施工には1年に1回の無料点検を含む「5年保証」などがついている場合があります。

一例として、以下のような条件の住宅にバリア工法で施工した場合の所要時間をご紹介します。

  • ・坪数  20~30坪
  • ・床下高 45cm~
  • ・被害程度 軽~中度
  • ・気候  温暖湿潤気候(北海道や東北を除く本州の平均的な気候)

【施工所要時間:6時間~1日】

一般的な広さの住宅で、標準的な高さの床下がある、目視でわかるくらいの多少の食害はあるが、木材が空洞になるほどの重度の被害はない、そして寒冷地でない一般的な気候の地域での例です。
最短で6時間程度ですが、条件によってはそれ以下の時間で完了する場合もあるでしょう。

ただし、以下のような場合は2日以上の時間がかかることがあります。

  • ・屋根裏や天井裏までシロアリが上っていたり、柱の空洞化や崩壊が見られる重度被害の場合
  • ・床下の構造が複雑である場合
  • ・45cm未満の狭小床下の場合
  • ・温度や湿度が高く、薬剤やコーティング剤の硬化に時間がかかる場合

地中のシロアリも根絶「ベイト工法」

「ベイト工法」のメリットは、巣ごと根絶できるという点です。

地中に薬剤入りのえさ(ベイト)を埋め、それを食べたシロアリが巣まで帰ることで巣を駆除するという、根本的解決が出来る工法です。
深刻な被害は見られないものの、シロアリがいる疑いのある場合などに選ばれることがあります。
また、住人が化学物質過敏症であったり、床下が極端に狭いなどの場合にも選択されています。

デメリットとして、バリア工法の1.5倍~2倍ほどの費用がかかります。
施工自体は1日で完了することが多いですが、巣の根絶までの期間は【1ヵ月~3ヵ月】ほどかかる場合があります。
なお、建物の外周がコンクリートの場合はさらに日数がかかります。

費用面と即効性のなさによって、バリア工法に比べると選ばれる機会が少ない工法です。

まとめ

シロアリ駆除完了までの期間は、どの工法で施工するかや建物の条件によって大きく左右されます。

最短では2、3時間の場合もありますし、2日以上かけて施工する場合もあります。
全ては建物の状況次第で、ケースバイケースとなります。

出来るだけ素早い施工を望む方も多いはずですが、たとえ予想以上の施工期間になるとしても、自分の家に適した施工を施しましょう。