夏から秋にかけてはハチの刺傷事故が多発する時期です。
毎年、ニュースでハチによる被害を見て「ハチは怖い」というイメージを持つ人も多いかもしれませんね。

しかし、実はすべてのハチが人間を刺すというわけではありません。
怖いハチとそうでないハチがいるのです。
まずは、危険なハチの種類について知っておきましょう。

刺すのはほんの一部!無害なハチが大半

ハチはハチ目に所属する昆虫で、多くの種類がいます。
日本だけでも4,200種以上のハチが生息しているといわれていますが、そのほとんどは人間にとっては無害なハチです。
すべてのハチが人を刺すとは限らないのです。
むしろ、人を刺すハチはスズメバチ、ミツバチなどほんの一部に限られています。
ハチ全体のなかでは少数派といってしまってもよいでしょう。

ハチの仲間は、腰の広さによって腰の細い細腰亜目と腰の広い広腰亜目の2つに分類できます。
そのうち、腰の広いハチ、広腰亜目に含まれるハチの仲間にはハバチなどのハチが含まれます。
これらのハチには人を刺す性質がありません。
人にとっては基本的に無害なハチといえるでしょう。

人を刺す危険なハチは、細腰亜目に含まれるハチのなかのほんの一部に過ぎません。
細腰亜目のハチはお尻の針を何に使うかによって、有錘類と有剣類というさらに2種類のハチに分類することができます。
そのうち、有錘類はお尻の針を産卵管として使うタイプのハチです。
このタイプのハチの針には攻撃能力がないため、人が刺される心配はありません。
一方、有剣類はお尻の針を外敵から身を守る武器として使うタイプのハチです。
これらのハチは、外敵に襲われたり巣への危険を察知したりすると、お尻の針を使って外敵と戦う性質を持っています。人が刺される危険性の高いハチはこの有剣類のハチです。

真社会性を持つハチが危ない!

もっとも、有剣類のハチのなかでも実際の危険度はハチの種類によって異なります。
有剣類のハチのなかでも集団生活を送らないアナバチ類、セイボウ類はハチに直接的な危害を与えない限り、襲われるリスクは少ないとされています。

危険なのは、集団生活を送るスズメバチ、ハナバチの仲間です。
スズメバチ科のハチには、スズメバチ類やアシナガバチ類、ハナバチにはニホンミツバチやセイヨウミツバチ、マルハナバチなどのハチが含まれます。
スズメバチやハナバチの仲間には、親子2世代が集団生活を営む「真社会性」という性質があります。

真社会性を持つハチは女王蜂を中心に1つのファミリーを作り、巣の防衛や子育てを共同で行っています。
そして、巣や仲間への危険を察知した場合には、家族を守るために集団で敵に立ち向かいます。
そして、この敵には天然の捕食者のほか、巣に近づく人間も含まれています。
たとえ人間側に危害を加えるつもりがなかったとしても、万が一外敵と認定されてしまった場合には襲われる可能性があるのです。

つまり、人間にとって危険度が高く、駆除が必要なハチは有剣類のなかでも真社会性を持つハチということになります。

ただし、真社会性を持つからといって必ずしも駆除対象になるとは限りません。
アシナガバチとハナバチは性格がそこまで凶暴ではなく、巣に近寄ったりちょっかいを出したりしなければ襲われることはありません。
さらに、アシナガバチやハナバチについては、人間にとっては益虫ともいえる存在でもあります。
アシナガバチは大きさこそスズメバチと似ていますが、性質はおとなしく、庭の害虫を食べてくれます。
また、ミツバチやマルハナバチといったハナバチの仲間は花粉の受粉を助け、自然界で重要な働きを担っています。
これらのハチについては、住宅内や庭といった生活圏内に巣を作られなければ共存が可能です。

特に危険度が高いのはスズメバチ!見つけたらすぐに駆除を

真社会性を持つハチのなかでも、アシナガバチやハナバチについては人間との共存も可能なハチです。
巣が人間の生活圏内にない限りは被害を受ける心配はあまりなく、しばらく様子を見るということもできるでしょう。

一方、スズメバチ類については見かけたらすぐに駆除が必要です。
スズメバチ類はハチのなかでも攻撃的で、刺される事故が多発しています。
日本で最も多くの死者を出している野生動物ともいわれるほど危険度が高いハチです。
特にオオスズメバチ、キイロスズメバチによる被害は多く、毎年多くの被害者が発生しています。
スズメバチを見かけたらすぐに駆除を検討しましょう。
大きさの似ているスズメバチとアシナガバチを見分けるのは一般人には難しいのですが、巣の形を見ればすぐにどちらかが判別できます。
スズメバチの巣は巨大なボール状、もしくはとっくりを逆さにしたような形をしていて、表面にマーブル模様・うろこ模様があるのが特徴です。
一方、アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような形をしています。

スズメバチは巣に近づいただけでも攻撃をしかけてくる獰猛なハチです。
攻撃力も高く、何度も毒針で敵を刺すことができます。
そのぶん刺されるリスクも高いため、素人がスズメバチに立ち向かうのは危険です。
万が一スズメバチの巣を見つけたら自力で駆除しようとせず、専門の業者に依頼するのが無難といえます。

スズメバチ

まとめ

ハチの巣駆除は早期対応が重要だといわれています。
これは、蜂の巣が大きくなると戦闘要員である働き蜂が増え、危険度が上がるためです。
春から秋にかけてのシーズンは、ハチの巣らしきものができていないかどうか、自宅の周囲などをこまめにチェックすることをおすすめします。

ハチの種類や巣の大きさによっては自力での駆除が難しいケースもありますので、ハチの巣を見つけたら早めに専門家へ相談するようにしましょう。