スズメバチは、害虫の中でも危険度がかなり高い害虫です。刺されると激痛とともに患部が腫れ上がりますし、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こして重篤な状態に陥ることさえあります。そんなスズメバチは、種類によって巣を引っ越すことがあり、その”引っ越し期間”には充分な注意が必要です。ここでは、スズメバチの引っ越しに関する特徴や注意点などについて詳しく解説していきます。

引っ越しをするスズメバチの生態とは?

巣の引っ越しを行うハチの代表としては、キイロスズメバチが挙げられます。キイロスズメバチは高い環境適応能力を誇り、エサ場の範囲も広いという性質を持っています。巣作りをする際も、いろいろな種類の道具や素材を集めてきて、器用に使うのが特徴です。また、キイロスズメバチの巣は他のスズメバチの巣よりも小さい傾向にあるため、引っ越しに適しているという見方もあります。

このキイロスズメバチの引っ越しが、場合によっては人間に被害を及ぼすことがあるので注意が必要です。キイロスズメバチの多くは、最初の巣を閉鎖的な空間に作ります。その閉鎖的な空間には、人間が暮らしている家屋や建物も含まれます。ですから、気がついたときには自宅の内外やすぐ傍にキイロスズメバチが巣を作っていたということもありえます。加えて、キイロスズメバチはスズメバチの頂点であるオオスズメバチに次ぐ高い攻撃性を持つとされています。そのため、キイロスズメバチの巣を見つけたら、迅速な対処が求められます。

引っ越しが行われやすい時期と場所

キイロスズメバチの引っ越しが行われやすいのは、主に気温の高い6~8月頃です。引っ越し先には、元の巣から近い場所が選ばれることが多いものの、引っ越しは全国各地で発生します。そのため、どこに住んでいてもキイロスズメバチが引っ越ししてくる可能性があり、気をつけなければいけません。キイロスズメバチの巣作り自体は、春先から始まっているので、気温が高くなる季節より前でも注意が必要です。土や朽木の中で越冬したキイロスズメバチの女王蜂は、春先に目覚めて巣作りを始め、巣を作りながら産卵して働き蜂を増やしていきます。そして、働き蜂の数が充分となり、巣が手狭になると、より広い場所を求めて引越しを行うのが一般的です。その時期が、だいたい夏頃となります。

スズメバチが巣を作るのに適していると判断するのは、保温と保湿に優れた場所です。それでいて、天候の影響を受けづらく、天敵が近づきにくく、エサを集めやすい場所であれば、なお好ましい環境となります。それらの条件を満たしている場所の1つが、人間が暮らす家屋や建物です。春先に目覚めたキイロスズメバチの女王蜂は、家の屋根裏・壁の中・床下など、人目に付きにくい場所で初期の巣作りを始めます。巣が小さいことに加えて、閉鎖的な空間に作られるので、この段階で巣を見つけることはほとんどできません。それから、働き蜂が増えて巣が手狭になると、キイロスズメバチたちはより開放的な場所へと引っ越しを開始します。この段階での引っ越し先は玄関の天井や屋根の軒下などになることが多く、ようやく人間がスズメバチの存在に気づくことができるタイミングです。たくさんの働き蜂が一斉に引っ越し作業に取り組むため、気がついたときにはかなり大きな巣ができていることも珍しくありません。

巣の駆除はプロに任せよう!

キイロスズメバチの巣を見つけても、自力で駆除しようとするのは危険です。なぜなら、キイロスズメバチを完全に駆除するには、引っ越し先の巣と引っ越す前の巣を、同時に取り除く必要があるからです。仮に引っ越し先の巣を駆除したとしても、元の巣に働き蜂が残っていると、別の場所に巣を作られてしまう可能性があります。また、もしも引っ越し先の巣に女王蜂が移動した状態で駆除してしまうと、統制を失った働き蜂が凶暴化するという危険性も考慮しなければなりません。ですから、引っ越し先の巣と引っ越し元の巣を、同時に駆除するのが理想となります。

とはいえ、引っ越し先の巣は比較的発見しやすいものの、閉鎖的空間に作られた初期の巣を駆除することは容易ではありません。土の中や壁の中などにある巣を見つけるのは困難ですし、取り除くとなると大変な労力が必要になります。十分な装備もなく駆除しようとすると刺される危険もあるので、キイロスズメバチの巣を見つけたら自力で対応しようとせず、害虫駆除の専門業者に依頼するのが賢明です。

専門業者に任せるべきもう1つの理由は、再発防止です。巣が作られる場所は、スズメバチにとって過ごしやすい環境であるいうことになります。そのため、一度巣を取り除いたとしても、同じ場所に再び巣を作られてしまうこともあります。害虫駆除の専門業者であれば、巣作りの再発予防に関する対策もしてくれるので、駆除後の安全性も高くなります。

まとめ

キイロスズメバチの巣の引っ越しは、より広い空間へと複数回行われることもあります。巣を放置しているとどんどん働き蜂の数が増える可能性があるので、対処する必要があります。ただし、焦って自力で巣を取り除こうとするのは危険なので、害虫駆除の専門家に依頼し、確実で迅速な対応を心がけましょう。