ハチの巣は街の中で見かけることも多いですよね。
公園や街路樹など公共の場所なら行政によって駆除されますが、自宅の場合は行政に頼れないケースが多くなります。
しかし、大きさやハチの種類によっては、自分で駆除できる場合もあるのです。

どのような種類でどれくらいの大きさの巣なら駆除が可能なのか、そしてその際の注意点について解説してみたいと思います。

目次

はじめにハチの種類と危険性を知っておく

自宅にハチの巣を見つけても、いきなり行動を起こすのは非常に危険です。
まず、自分で駆除が可能かどうかを見極めてください。
そのためには、落ち着いて観察することがポイントです。
「巣の大きさ」と「ハチの種類」、そして「巣のある場所」の3つをチェックしましょう。
自分で駆除可能な巣の大きさは、直径が15センチ程度のものまでと考えてください。
それ以上の場合は外すのも大変ですし、働きバチの数が多くなるため危険度が増します。
そして、一番重要なのがハチの種類です。

日本で見かけやすいハチはスズメバチとアシナガバチ、ミツバチの3種類で、それぞれ危険度が違います。スズメバチの巣の特徴は全体が丸いボール状になっていて、出入り口は1つしかありません。
アシナガバチは蓮の花の中心部のような形状をしており、穴が無数にあります。
そして、ミツバチの巣は無数の穴が開いた板状のもので、さらにそれが何層か重なって構成されています。

スズメバチは危険度が最も高く、たとえ小さめの巣でも素人が駆除するのはやめておきましょう。
アシナガバチはスズメバチより危険度は低いですが、敵とみなせば攻撃してきます。
ただし、小さな巣なら駆除できる可能性はあります。ミツバチは滅多に攻撃せず危険度はかなり低い種類です。

最後に、巣のある場所で判断してください。ハチが巣を作るのは、閉鎖的な場所と開放的な場所に分かれます。
天井裏や建物の間、床下など閉鎖的な場所は作業中に退避しにくく、危険なのでやめておきましょう。

危険が少ない駆除の方法とは?

素人でも危険が少なく、駆除しやすいのは開放的な場所に作られた巣です。
さらに、脚立や踏み台を使わなくても届く場所であること、万が一ハチが向かって来ても適度な距離を保てる空間であることを確認してください。
予想以上の数が入っている場合も想定しておきましょう。
逃げる際は決して走ってはいけません。
落ち着いてゆっくり後ずさりしながら、少しずつ距離を置くのがポイントです。

駆除に入る時間帯は、夜間が適しています。
日没後であれば大丈夫ですが、それより少し時間が経過した20時前後がいいでしょう。
夜間は、日中外に出ていた働きバチも巣に戻っていることが多いうえに、活動が鈍っているからなのです。
逆に日中は攻撃力も高くなっているので、できれば避けてください。
日中はできるだけ巣の状態を観察し、駆除のイメージトレーニングをしておくといいですよ。

駆除に入る前には、防護服にハチ用の殺虫スプレー、長い棒と巣を受けて入れるビニール袋に柄のついたネットを用意しておきましょう。
防護服があると安全度は増しますが、購入すると高いものでは10万円近くもします。
顔を保護できる防蜂ネットなら高くても5000円前後ですし、保護はできます。
しかも、ネットでも購入可能です。
防蜂ネットをかぶって全身が覆る服装にし、ゴム手袋などをはめて肌を全部隠してください。
長い棒は、巣を落とせるものなら問題はありません。
巣の下にあらかじめビニール袋を入れたネットを用意しておきます。

次に殺虫スプレーを巣に向かって勢いよく吹きかけてください。
30分程度は続けます。途中で殺虫剤がなくならないように、2缶程度用意しておくと安心です。
ハチが弱ったところで巣の根元付近を一気に棒で叩き、ストンと袋に入るようにします。
袋の口をしっかり結んで終了です。

スズメバチの巣は補助金が出る場合も

自分で駆除できそうなサイズやハチの巣なら問題はありませんが、大変なのは「スズメバチ」の場合です。
個人の敷地内になると、行政で対応してくれる例は少ないと考えたほうがいいでしょう。
よほど近隣にも被害が想定されるようなら特例もあるかもしれませんが、それ以外は個人で対応すると考えたほうが現実的です。

スズメバチの駆除は巣の大きさが増すほど危険度も上がります。
まして、天井裏のような狭い空間に作られた場合は、状況に応じて付近を解体しながら駆除することもあります。
そのため、専用の道具を用意しているプロに依頼するのが一番安全で確実な方法です。

大きくなり過ぎた巣やスズメバチの駆除を依頼すると、1万〜4万円前後の費用がかかります。
この費用の差は、巣の大きさや場所の難易度によって変わります。
高所や狭い場所は危険度も上がり、時間がかかるので高くなる傾向があるのです。

自己負担で依頼するのが基本ですが、行政によってはスズメバチに限定して駆除の補助金が受けられるので、調べてみましょう。
補助金は5000円〜1万円程度のところが多く、地域で異なります。
年度に応じて補助金の総額や期間を制限している行政も多いので、補助金を設けているのがわかったら早めに申請することが重要です。
巣を見つけたらまず相談してみるといいかもしれません。
補助金の他、防護服の貸出しを行なっている行政もあります。

場合によっては補助金が出るかも?

まとめ

ハチの駆除は、種類や巣の大きさ、巣のある場所で駆除できるかを判断しましょう。
スズメバチなど自分ではできない場合は、プロに依頼するのが一番です。

基本は自己負担ですが、行政によっては補助金が出る場合もあります。
防護服の貸出しをしている行政もあるので、駆除が難しい巣を見つけたら、まず行政に相談してみるといいでしょう。