ハチは種類によって性格が異なり、穏やかなものもいれば狂暴な種類も存在します。
日本で生息しているハチの中で、特に人に対して攻撃的で危険性が高いハチの特徴を、種類別にご紹介します。

目次

危険なスズメバチ3種

スズメバチは17種類ほどありますが、特に人への被害をもたらすことの多いスズメバチ3種について、特徴と見分け方を記載します。

オオスズメバチ

毒性が高いハチの中では、世界最大のハチとなります。
非常に攻撃的で、人が巣へ近づけば、強靭な大あごをカチカチと鳴らして威嚇します。
刺された時の痛みはハチの中で最も強く、複数のオオスズメバチに刺されれば死に至ることもあります。
地中に巣を作ることが多いため、かなり近づくまで巣の存在に気が付かないことも多くあります。
見分けるためのポイントとしては、働きバチの体長は3~4cm前後、女王バチは5cm程度と、他のハチに比べて体が大きいことが挙げられます。
身体の色は全体的に黒っぽく、頭はオレンジ色、腹部は黒と黄色のシマ模様です。
最速で40kmほどのスピードで飛ぶこともあり、それも大きな特徴です。

キイロスズメバチ

別名「ケブカスズメバチ」とも呼ばれる種類で、オオスズメバチほどではないものの、その次に攻撃的なハチとされ、日本で最も刺傷例が多いのがこのハチです。
その名の通り、身体は全体的に明るい黄色で、その大きさは、国内のスズメバチの種類の中では最小サイズです。
見分けるためのポイントとして、黄色っぽい身体と、女王バチでも3cm未満、働きバチでは1.5cm~2.5cmという小さいサイズです。

コガタスズメバチ

オオスズメバチによく似た外見のハチです。
身体はオオスズメバチより小さいものの、色あいや模様が非常によく似ているため、成長途中のオオスズメバチと見分けるのは困難です。
見分けるためのポイントとして、オオスズメバチは大きなあごを持っていますが、コガタスズメバチにはそれほど大きいあごはありません。
また、顔の中心の形の微妙な違いや、腹部の黄色い部分の割合など、間近でよく見なければ分からない微妙な違いしかなく、なかなか見分けはつきません。
コガタスズメバチ最大の特徴は巣にあり、フラスコを逆さに吊るしたような独特の形の巣を作ります。
巣を見つけることができれば、オオスズメバチとの区別がはっきりつくでしょう。

危険なアシナガバチ4種

アシナガバチにはスズメバチのような高い攻撃性はありませんが、うっかり巣に近づいてしまうと容赦なく攻撃してきます。
アナフィラキシーショックによる死亡例もあります。

キアシナガバチ

アシナガバチの中でも攻撃性が高い種類で、刺された痛みがアシナガバチの中で最も強いとされています。
家屋や雑木林などに多く生息しています。
そのため、ハイキング中などで営巣場所に気づかずうっかり近づいてしまう場合があります。
見分けるためのポイントとしては、その名の通り全体的に黄色っぽい身体であることが挙げられます。
体長は2cm~2.6cm程度で、アシナガバチとしては最大級です。
巣へ近づいた人間には、腹部を曲げて身体を震わせ、威嚇します。

セグロアシナガバチ

北海道以外の日本全国で生息しています。
都市部や市街地にも多く生息しており、攻撃的なハチです。
家屋の軒下や庭木の中、物干し竿などの開放された場所で営巣する場合があります。
見分けるためのポイントは、全体的に黒い身体に、黄褐色の斑点です。
体長は2cm~2.6cmほどです。

フタモンアシナガバチ

寒さに強く、北海道でも生息しているハチです。
生息数が多くものの、それほど攻撃的ではありませんが、人が巣へ近づいたり巣が揺さぶられたりすると攻撃してきます。
見分けるためのポイントは、腹部に黄色の紋が2つ付いていることです。
体長は1.5cm~2cmほどで、植物の茎や垂直な壁面に横向きに巣を作ります。

コアシナガバチ

キアシナガバチほどではないものの、高い攻撃性を持つハチです。
家屋や木の枝に大きな巣を作ります。
見分けるためのポイントは、体長1cm~1.7cm程度と小さい身体に、黒っぽい色、上方へ反り返るような形に作られた巣などです。

危険なミツバチ2種

スズメバチやアシナガバチと異なり、寒い時期に最も活動が活発化するミツバチは、攻撃性も低く穏やかなハチです。
しかし非常に強い毒性を持ち、刺されるとショック症状を引き起こすこともあります。

クマバチ

クマンバチと呼ばれることもある、大型のハナバチです。
雄バチも雌バチも単独で生活し、基本的に温厚な性格の種類になります。
雄バチは毒針を持っていませんが、雌バチは刺すことがあります。
毒性はそれほど強くないものの、針が太いため、激しい痛みを引き起こします。
見た目の特徴が多く、見分けやすいハチです。
体長は2cm程度で、胸部の上面から側面にかけて黄色の細い毛が密生し、背中だけが黄色く目立つ、全体的にずんぐりとした体形です。
低くうなるような大きな音を立てて飛びます。

ミツバチ

日本にはニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種類が生息しています。
どちらのミツバチも温厚な性格で知られていますが、数万匹という大群で巣を形成します。
そのため、敵とみなした相手へ一斉に大群で襲いかかるため、人が刺されれば最悪の場合、死に至ることがあります。

まとめ

日本に生息しているハチの中で、特に危険なのはスズメバチです。

しかしアシナガバチやミツバチも、時には人間の命を脅かす危険な存在となります。
外見で見分けのつく種類は多いですが、他の種類とほとんど変わらない外見を持つハチもいます。

ハチを見た場合は決して油断せず、慎重に行動しましょう。