毎年のように、同じ場所へハチの巣ができてしまって困るという人もおられるでしょう。
ハチは手当たり次第、無作為に巣を作っているのではなく、自分達にとって快適な環境かどうかを考えて営巣します。
ハチに好まれてしまう家の環境と、巣を作らせない予防法について解説します。

目次

ハチが好む場所の条件

ハチは巣を作る際、ハチにとって条件の良い場所を選んでいます。
つまりハチが好む条件を多く備えている家は、ハチの巣ができやすい家となってしまいます。

ハチが好む条件とは、例えば次のようなことです。

1.雨風をしのげ、天候の影響が少ない場所

日陰になり雨も打ち込みにくい軒下は、最もハチの巣ができやすい場所と言えます。
家屋の構造によっては軒下がない場合もありますが、古い造りの日本家屋であれば、広い軒下を備えている場合が多く、巣ができやすい家となります。
マンションやアパートのベランダも屋根があるため、巣を作りやすい環境です。
また、葉がよく生い茂った庭木なども、日差しや雨をしのげるため、気が付かないうちに大きな巣が出来上がっていることもあります。
このような場所には、スズメバチやアシナガバチが営巣する傾向にあります。

2.閉鎖された空間

多くの家には、換気口があります。
この換気口からもハチが侵入し、天井裏や屋根裏、床下や壁の間などへ入り込んで巣を作ることがあります。
また、物置や倉庫など、長い間出入りをしていない場所や、長い間開けたままにしている雨戸の戸袋なども要注意です。
このような場所はハチの外敵が侵入する心配も少なく、天候の影響を受けることもないため、閉鎖空間を好むハチにとっては最適な環境です。
こういった場所では、スズメバチやミツバチが営巣する傾向にあります。

3.エサとなる昆虫を捕獲しやすい

上記のような条件に加えて、食料が捕りやすい環境があるとすれば、ハチにとって絶好の環境となります。
古い庭木で幹や根に空洞ができている場合には、上記の1と2の条件にも当てはまるため、毎年のようにその場所ですっぽり収まる巣を作られてしまうことが多くなります。
木など、屋外で土壌が近い場所へ巣を作れば、ハチはいつでも昆虫を捕獲できる狩場が巣のすぐ近くにあるという、この上なく快適な場所となってしまいます。
このような場所は、スズメバチやアシナガバチが営巣する傾向にあります。

巣を作らせないためにできること

以前巣を作られた場所や、ハチが好みそうな場所へあらかじめ予防策を講じておくことは賢明な対策です。
例として、以下のような対策ができます。

1.換気口や通風口を目の細かいネットなどで塞ぐ

換気口や通風口から侵入するのはおもにスズメバチやミツバチです。
特にミツバチは2~3cm程度と身体が小さく、わずかな隙間から楽々と侵入してしまいます。
可能であれば1マス1cm以下くらいの、目が細かいネットや金網を取り付け、侵入を防ぎましょう。
古い建物の場合、壁に隙間ができていることもあります。
隙間を埋める専用のパテや、ネットを使用して塞いでおくようにしましょう。

2.ハチ用の忌避剤や殺虫剤を散布しておく

軒下や縁の下、庭木の周りやベランダなどには、市販されているハチ用の忌避剤を散布したり吹き付けておいたりする予防に効果的です。
場所に合わせて、スプレータイプや粉末タイプ、液体タイプなどを使い分けましょう。
薬剤ごとに有効期間があるので、それを目安として定期的に散布し直しましょう。
土壌に撒いた場合は、雨が降ったらそのあとにまた撒き直すと良いかもしれません。

3.庭木や倉庫などを定期的に点検する

庭木、特に古くなった木は空洞が多くなり、ハチの巣ができやすい場所となります。
ハチ以外にも様々な害虫が発生する原因にもなりますので、場合によっては伐採してしまいましょう。
物置や倉庫の中や、その周囲も定期的に点検し、ハチの巣ができていないか確認しましょう。

まとめ

ほとんどの家が、ハチの巣ができやすい条件を1つは備えているでしょう。
もし、自分の家が条件に当てはまることが分かったなら、巣を作らせないための対策を早めにしておきましょう。