スズメバチは日本で最も危険な生き物といわれており、刺されると死に至る場合もあります。
キャンプに行ってスズメバチに刺されることもあるため、あらかじめ注意点や応急処置方法を知っておきましょう。

スズメバチの種類と活動時期、活動場所は?

日本には3属17種類のスズメバチが生息しており、体長は1.7~4.5センチメートル程度と大柄で、攻撃的です。
活動時期は4月から12月にかけてですが、特に繁殖期である7~10月に攻撃性が増します。

また、スズメバチは北海道から沖縄まで全国の、低地から低山地に生息しています。
さらに木の枝や軒下など開放空間の他、木の洞の中や根元、土の中など閉鎖空間にも巣を作ります。

ハチが潜んでいるかもしれない

スズメバチ被害に遭わないための服装・持ち物準備

スズメバチの天敵は、巣を襲って幼虫や蜜を食べてしまう熊です。
スズメバチの目は黒か白しか判別できないため、黒っぽく見えるものを熊と誤認して攻撃してくることがあります。
熊と間違えられて攻撃されないように、キャンプに行くときは黒や黒っぽい色の服装は避けましょう。
また、バッグやサングラス、カメラなどの持ち物も同様です。

それに対し、白っぽい色はスズメバチを刺激しないといわれています。

その他、キャンプに行くときにはスズメバチを惹きつける匂いを身に付けないよう注意しましょう。
香水や整髪料、柔軟剤などの匂いが該当します。

キャンプの前に覚えておきたいスズメバチ対策

スズメバチが人を襲うのは、巣や餌場が荒らされることを警戒するからです。
つまり、スズメバチのテリトリーに近づかないことと餌の匂いでスズメバチを引き寄せないことが、最も重要な対策といえます。

キャンプでは野外で調理や飲食をすることが多いですが、できるだけ食品を放置しないように気をつけましょう。
スズメバチは食品全般、特に甘い飲み物に寄ってくる習性があります。

散策するときにも注意しましょう。
というのは、スズメバチの巣はいたるところにあり、なかには土の中など見えない場合もあるため、知らず知らずのうちにスズメバチの巣に近づいてしまう場合があるからです。
刺されないためには、スズメバチと遭遇したときに取るべき行動を知っておく必要があります。

まず、スズメバチが攻撃してくる前に発する警告サインを覚えておきましょう。
人間の周りをブンブンと飛び回ったり狙いを定めるかのように空中で静止したりするのは、巣が近くにあり「これ以上は近寄るな」という意思表示です。
さらにカチカチ音を出している場合、攻撃開始前の最終通告を意味します。

スズメバチの存在に気づくとパニックに陥ってしまう人が多いですが、刺されないためには「騒がない・スズメバチを刺激しない」ことが大切です。
大声を出したり、叩き落そうとしたりすると、スズメバチの防衛本能を刺激して興奮させてしまい、かえって危険です。
声を出さず、静かにゆっくりと腰を落として、その場を離れてください。

もしもスズメバチが攻撃を開始したら、仲間も集まってきて攻撃に加わることもあります。
その段階に至ればうずくまっていても攻撃を回避できないため、走って逃げることが必要です。
特に2回刺されると危険ですから、1回刺されてもひるまずに逃げ続けてください。

スズメバチが敵を追跡する距離は20メートル(興奮時にはそれ以上)といわれているため、その場所から少なくとも20メートル以上は離れるようにしましょう。

スズメバチに刺されてしまったときの応急処置方法

まずは安全な場所まで移動します。
そして、刺されてから30分以内にポイズンリムーバーを使って毒を吸い出すか、傷口を絞りながら清潔な水で洗い流してください。

手足を刺された場合は、心臓に近い側を止血用ゴム管などで縛り、数分おきに緩めます。
スズメバチは刺した後も針を残さないので、針を取ろうとする必要はありません。
また、スズメバチの毒は水溶性で、口で毒を吸いだす方法は毒入りの唾液を飲み込んでしまうリスクがあるため、やめてください。

次に、赤く腫れた患部に抗ヒスタミン成分が入っているステロイド軟膏を塗ります。患部を冷やすと痛みや痒みを抑えることができます。
そして、一刻も早く皮膚科・またはアレルギー内科を受診しましょう。

スズメバチに刺されると、呼吸困難や血圧低下、意識混濁などのアナフィラキシーショック症状が出る場合があり、命に関わります。
じんましんや発汗など刺された場所だけでなく全身に症状が出るのもアナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーショック症状が出た場合には救急車を呼び、背負わず、担架に乗せて運んでください。

アナフィラキシーショックは以前に刺されたことのある人や、2回以上刺された場合に出やすいです。
心配な場合は事前に医師の処方を受けて、エピペンなど自己注射薬のアドレナリン製剤を携帯しておくこともできます。

刺されてから30分以内の処置が救命できるかの分かれ目ともいわれています。

まとめ

キャンプに行く前に準備するスズメバチ対策は、黒っぽい服装や持ち物を避けることです。
香水や整髪料、柔軟剤など甘い匂いを出すものの使用も控えてください。
刺されてしまった場合に備えて、抗ヒスタミン剤配合のステロイド軟膏や自己注射のアドレナリン製剤を準備しておきましょう。

キャンプ場では、食べ物の匂いでスズメバチが寄ってくることに注意しましょう。
また、スズメバチの巣は目立たないため、遭遇するリスクが常にあることを意識してください。

そして、スズメバチが攻撃前に発する警告サインに注意し、スズメバチと遭遇したら騒がずに20メートル以上離れます。
刺されてしまった場合の応急処置は、水洗いして冷やすことです。

2回以上刺された人はアナフィラキシーショックになっていないか注意して容態を観察してください。
そして、一刻も早く皮膚科、またはアレルギー内科を受診しましょう。