ある日気がつくと自宅にハチの巣ができていたということがあります。
放置しておくと危険なので一刻も早く駆除をしたいところですが、果たして、ハチの巣というものは自力でも安全に駆除ができるものなのでしょうか。
いざというときに参考になるように、ハチの巣の駆除方法やその際の注意点などについて解説をしていきます。

目次

まず巣の形を確認しよう!ハチの種類とそれぞれの危険性

駆除の具体的な流れは?

ハチの巣を安全に駆除できるかどうかを判断するには、まずハチの種類を確認する必要があります。

日本には主にスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類が生息していますが、このうち、最も危険なのがスズメバチです。
毒性が強いうえに攻撃性が非常に高いのが特徴で、巣に近づくと即座に攻撃をしてきます。
しかも、スズメバチの巣は分厚い壁で覆われているため、殺虫剤で駆除をしようとしても薬剤がかかりにくい構造になっているのです。
安易に殺虫剤を吹きかけるとハチを興奮させて逆襲にあうことになります。
実際、スズメバチによる死亡例は多く、日本で最も危険な動物といわれているほどです。
ちなみに、スズメバチの巣は初期にはフラスコを逆さにしたような形をしており、成長すると丸型に変化します。

次に、アシナガバチですが、スズメバチに比べると毒は弱くて攻撃性もそれほど高くはありません。
ただ、巣に近づきすぎたり、巣を揺らしたりすると一斉に襲い掛かってきます。
毒が弱いとはいっても、アナフィラキシーショックで死亡した例もあるので決して油断はしないようにしましょう。
アシナガバチの巣はお椀を逆さまにしたような形をしています。

一方、ミツバチは最も攻撃性が弱く、巣に直接ちょっかいを出さなければ攻撃されることはまずありません。
ただし、冬になると攻撃性が高まるので注意が必要です。
ミツバチの巣は上から垂れ下がった板状の形をしています。

こうして比較をしてみると、スズメバチの危険度が突出していることがわかります。
もしスズメバチの巣を見つけた場合は自力で駆除するのは避け、必ず専門業者に相談するようにしましょう。

重要なポイントとなる巣の大きさと位置

ハチの巣が大きいほど中にいるハチの数は多くなり、しかもそれに比例して攻撃性は高くなる傾向があります。
特に、巣の大きさが15センチを超えると著しく攻撃性が増してきます。
したがって、15センチを超える巣は自力での駆除は避けた方が無難でしょう。

また、巣の場所がどこにあるかによっても駆除の難易度は変わってきます。
軒下、窓枠、低い天井などといった開放的でハシゴを使わなくても手が届く場所であれば、比較的安全に駆除はできるでしょう。

しかし、屋根裏、床下、墓石の納骨スペースなどといった閉鎖空間になると自力での駆除は困難になるかもしれません。
狭いスペースでの作業になると逃げ場がなく、それだけ危険度が増してくるからです。
さらに、高い場所に巣があると特殊な道具が必要となり、難易度が高まります。

以上の点を考慮して自力での安全な駆除が可能かどうかを判断していきましょう。

これだけ必要!ハチの駆除を安全に行うための準備

ハチは汗、ヘアスプレー、香水などの匂いに反応します。したがって、駆除を行う前にはそれらの匂いを落とすようにしましょう。
また、ハチは黒色のものに向かって攻撃をする性質があるため、身につけるものはなるべく白で統一した方が安全です。

まず、雨ガッパを着てハチの針が通らないようにし、頭部にはヘルメットか厚手の帽子をかぶります。
そのうえで、タオルなどを使って可能な限り顔や首筋を隠してください。
目はゴーグルで防御するのがよいでしょう。

次に、軍手か革製の手袋を装備し、長靴を履きます。
その際、ズボンは長靴の上にかぶせ、ヒモで縛ってハチが中に入らないようにします。

また、殺虫剤は薬局やホームセンターで販売している合成ピレスロイド系でスプレー式のものがおすすめです。
殺虫剤は念のために2~3本準備してください。

さらに、もし巣が高い場所にある場合は、駆除した後に落とせるように長い棒を用意しておきましょう。
後は、巣を確認するための懐中電灯と落とした巣を回収するためのゴミ袋が必要です。

ただし、懐中電灯の光を巣に直接当てるとハチは光に向かって突進してきます。
それを防ぐには、懐中電灯の先に赤いセロファンを被せるのが有効です。
赤い光にするとハチは反応を示しにくくなります。

ハチの巣駆除の具体的な流れ

ハチの巣を駆除する際の最大のポイントは夜に行うという点です。
ハチは暗いところでは飛ぶことができなくなるため、夜になると全員巣に戻ってきます。
外に出ているハチが戻ってきて攻撃されるという心配が極めて少ないのでそれだけ安全度が高くなるわけです。

それに、殺虫剤に驚いて巣の中からハチが飛び出してきても、暗闇ではハチは思うように行動できないので安心です。
まず、巣の表面に殺虫剤を噴射して入り口付近にいるハチを駆除します。
3分から5分ほどそれを続けるとハチが出てこなくなるでしょう。

次に、巣に近づいて巣の入り口から中に向けて殺虫剤の噴射を続けます。
このとき、地面に落ちて生き残ったハチがいる可能性があります。
巣への噴射が終わってから地面に生きているハチがいないかを確認して退治してください。
後はゴミ袋で巣を回収し、それを処分すれば駆除は終了です。

まとめ

蜂の巣を自力で安全に駆除できるかどうかはハチの種類、巣の大きさや位置などが重要なポイントとなります。

また、自力で駆除できると判断した場合でも入念な準備が不可欠です。
駆除はハチが自由に行動できない夜に行い、レインコートや帽子、手袋、長靴などで防御することが大切です。
さらに、その際のリスクについてしっかりと理解をし、自己責任において行わなければなりません。

もし、不安を感じた場合は無理をせず、業者や専門家に相談するようにしましょう。