家の周りを頻繁にハチが飛び回っているなら、それは敷地内にハチの巣ができているのかもしれません。
発見したときには近寄れないほどハチの数が多く、巣も大きくなっているケースが多々あります。
もし家の敷地内でハチの巣を発見したら、どのような対策をどのような順序で取るべきなのでしょうか。
ここではハチの巣を発見したあと取るべき対策から巣作りの再発を防ぐ予防方法までのハウツーをご紹介します。

目次

ハチの巣を発見したら決して近寄らない

ハチにはスズメバチのように攻撃性の高い種から、ミツバチのように攻撃性の高くない種まで様々な種類があります。

攻撃性の差こそあれ、どのハチにも共通しているのは「刺激しなければ襲われず、刺激して敵とみなされれば攻撃される」ということです。
ハチを刺激しないためには、まず巣の周辺になるべく近寄らないこと。
特にスズメバチは巣から10mの距離を保っても警戒態勢を取り威嚇するなど、刺激に敏感な種です。
攻撃性の比較的低いミツバチも、敵を襲う際は膨大な数の群れで襲うため大怪我を負うこともあります。

また、一年のうちでハチの活動が活発になる時期には特に刺激に敏感ですし、その時期はハチの種によって違いがあります。
季節によらず、家の敷地でハチの巣を発見したら決してそのエリアには近寄らないことが重要です。

危険な家の敷地内のハチの巣

見つけたらなるべく早く駆除する

ハチは見方によっては益虫でもあります。
ミツバチは植物の受粉に大きな役割を果たしますし、スズメバチやアシナガバチは農作物の害虫を食べてくれるという側面もあります。
このことから、害のないエリアにあればハチの巣は駆除しないという人もいるようです。

しかし自宅の敷地内にできたハチの巣であれば、やはり駆除したほうが無難といえます。
なぜなら、ハチのもたらす危険についての責任はその土地・建物の所有者にあるとみなすのが一般的だからです。
もし自宅に巣を作ったハチが近所の人や通行人を刺してしまったら、その責任として治療費を払うなど賠償の必要も出てくるでしょう。

また、多くのハチは春先に小さな巣を作り夏にかけてその巣を増設していきます。
発見した後放置していれば巣はどんどん大きくなってしまい、人に被害を与える可能性も大きくなるのです。

ごく小さな巣のうちなら個人で駆除することも可能ですが、大きくなってしまった巣はハチの数も比例して増えているので、無理をせずプロに任せることも検討しましょう。

巣の駆除後の戻り蜂を防ぐ

アシナガバチなどハチの中には毎年同じ場所に巣を作る習性のあるものがおり、この現象を戻り蜂といいます。今年できたハチの巣を駆除しても、注意していなければ翌年も同じ場所に巣ができることがあるのです。

また、巣にいない間に巣を撤去されてしまったハチや、駆除のときに逃げたハチがなくなった巣の周辺を飛び回ることも戻り蜂といいます。
この現象は数日から一週間続くこともあり、巣を奪われたハチは攻撃的になっているため駆除が済んでもそのエリアに近寄る際は気をつけましょう。

駆除後に戻ってくる戻り蜂も翌年戻ってくる戻り蜂も、巣のあった場所に駆除スプレーをかけておくことでかなり防止することができます。
雨が降ってスプレーが流れてしまった後や、多くのハチが巣作りを始める春先には特に意識して噴霧しておきましょう。

再度ハチの巣ができるのを予防する

ハチの巣ができたということはハチが巣を作りやすい環境が揃っていたということでもあり、また別のハチが巣を作る可能性も十分あります。
再度の巣作りを予防するには巣ができていた場所だけでなく、ハチが巣を作りやすそうな物陰、雨戸の戸袋、床下などにあらかじめ駆除スプレーを定期的にかけておくと効果があります。
敷地内に置きっ放しの粗大ゴミや物置の裏など、人が滅多に近づかない場所は特に注意を払いましょう。

屋根裏や床下など家の各所にある換気口もハチの侵入口になりえます。
換気口の網目が荒いようであれば、丈夫なステンレス製の防虫ネットなどに変えてみるのも効果があるでしょう。
庭にある樹木の空洞や切り株もハチが巣を作ることが多い場所なので、可能であれば撤去するのがおすすめです。

まとめ

ハチの巣を発見したときにまず注意すべきなのは、自分の安全を確保するということです。
巣に近寄りすぎてハチが警戒態勢を取っていたとしても、決して慌てて動いたり騒いだりしてはいけません。周りを飛ぶハチを思わず手で払ったりしてしまうと、それは攻撃したこととみなされます。
ゆっくり後ずさりでその場を離れ、その後遠くから落ち着いてハチの種類を見定めましょう。

肉眼で確認しようとするよりも、双眼鏡やカメラのズーム機能を利用するとより安全です。
ズーム機能で巣の写真を撮っておくのもよいでしょう。
プロに巣の駆除を依頼する際にハチの種類や巣の大きさがわかっていればよりスムーズに駆除できます。

自宅の敷地にハチの巣があるというのは大きなストレスかもしれませんが、専用の防護服などの装備のないまま駆除しようとするのは大変危険です。
成長したハチの巣を見つけたら無理をせず、プロの技術に任せることも検討してみましょう。