苦労してハチの巣を駆除しても、しばらくするとまた同じ場所に巣ができていることがあります。
あるいはその年には問題なくても、次の春になると新しい巣がいつの間にか作られ、それが毎年続くといったケースもあるのです。
そうなると、いつハチに襲われるか気が気でなくなり、安心して暮らせなくなってしまいます。
そこで、ハチが同じ場所に巣を作る理由とその予防法について解説をしていきます。

目次

巣を取り除くだけでは不十分!女王バチの駆除が重要

ハチの巣を駆除した際にしばしば問題となるのが戻りバチの存在です。
戻りバチとは巣を駆除したときに餌を求めて巣から離れていたハチのことです。
彼らが戻ってきたときには巣がなくなっているので、巣を探し求めていつまでもその周辺を飛び回ることになります。

戻りバチの数は時には数十匹に及ぶこともあり、そうなると非常に危険です。
ベランダに巣があったとすれば、駆除した後もベランダ周辺を飛び回るのでうかつに洗濯物を干すこともできなくなります。
もっとも、働きバチの寿命はそう長くはないので、数週間もたてば多くの場合は死に絶えてしまうでしょう。

より問題となるのが女王バチを取り逃がしたケースです。
女王バチが生き残っていると彼らは再び同じ場所に巣を作ろうとします。
それを防ぐには最初の駆除をいかにしっかり行うかが重要になってきます。

まず、駆除を行う時間は夜遅くなってからがおすすめです。
夜になるとハチは巣に戻り、活動が低下するからです。
そのタイミングを狙って駆除を行うと女王バチや戻りバチを取り逃がす確率も低くなります。
殺虫剤を散布した後で巣はすべて取り除き、地面に落ちたハチも生き残っているものがいないかをきちんと確認すれば万全です。

ただ、スズメバチや規模の大きなハチの巣の駆除はかなりの危険が伴います。
危険度の高い駆除は必ず害虫駆除の業者や専門家などに相談するようにしましょう。

水をまいてハチの苦手な環境を作ろう!

庭の水まき

同じハチが何度も巣を作る場合はそのハチを完全に駆除すれば問題は解決です。
しかし、ハチを駆除しても次の年には別のハチがやってきて同じ場所に巣を作るといったケースも少なくありません。
それはその空間がハチにとって快適な場所だからです。逆にいえば、ハチにとって不快な場所にすることによってハチの巣が再び作られるのを防ぐことができます。

たとえば、水をまくというのも有力な手段でしょう。
ハチは基本的に雨風がしのげる乾いた場所に巣を作ろうとする傾向があります。
したがって、定期的に水撒きをしていると巣作り防止につながります。
ただし、床下などに水をまくとその周辺が腐食する場合があるので、十分注意しながら行うようにしましょう。

ハチの苦手な匂いを利用!木酢液とクレオソート

匂いを利用するのもハチを遠ざける有力な手段となります。
たとえば、木酢液やクレオソートです。まず木酢液は容器に入れて水と1:1で混ぜ、ハチの巣のあった場所の近くに置きます。
そうすると、煙に似た匂いがするので火が燃えていると勘違いしてハチが近づかなくなるというわけです。

一方、クレオソートは正露丸の原料にもなっており、特有の強烈な匂いを発します。
これをハチが巣を作りそうなところに直接塗り込むとハチを近寄らせない効果が期待できるでしょう。

その他に、ハッカ油もハチが苦手とする香りを発します。
これをスプレーにして吹きかけておくのも効果的です。
作り方は簡単で、水200mlを入れたスプレー容器にハッカ油を60ml加えて混ぜるだけです。
ただ、ハッカ油の効果は長続きしないので、なるべくこまめにスプレーを吹きかける必要があります。

早期発見なら駆除も簡単!春先の段階で巣を発見しよう

より積極的に巣作りを阻止したいというのであれば、巣がまだ小さい段階で直接叩いてしまうのも一つの手です。

秋に巣離れをした女王バチはそのまま冬を越し、4月から6月にかけて巣作りを始めます。
最初は女王バチ一匹で巣を作っているのでペースはゆっくりですが、夏場になって働きバチが増えると巣は急ピッチで大きくなっていきます。
そして、秋には巨大な巣が出来上がるというわけです。
そうなると、駆除するのも容易ではありません。

逆にいえば、春先から巣を作っているかのチェックを始め、早い段階で発見すれば簡単に駆除ができます。
春先の段階では巣にいるのは女王バチだけであり、攻撃性もあまり高くないからです。

ただし、いくらハチの巣を取り除いても女王バチを逃がしてしまってはまた巣を作られるだけです。
巣を排除する際には必ず女王バチも一緒に駆除するようにしましょう。

まとめ

同じ場所に何度もハチの巣を作られるのは、大きく分けて二つのパターンがあります。

ひとつは巣を駆除しても女王バチを取り逃がし、戻ってきた女王バチが再び巣を作るといったケースです。
その場合は夜間に駆除を行ったり、専門業者に相談するなどして確実に女王バチを駆除する必要があります。

もう一つはそこがハチにとって巣作りに適した場所であるという可能性です。
もしそうなら、ハチの苦手な匂いを利用したり、水をまいたりしてハチを遠ざける環境を作ることが有力な対策となります。

いずれにせよ、早期に対策を講じ、ハチによる被害を未然に防ぐように心がけましょう。