ハチの中には、人の生活圏内に巣を作る種類も多く見られます。
ハチが自宅の軒下などに巣を作ってしまうと、その家に住む人はもちろん、近くを通りかかった人にも被害が及ぶ可能性があるため、早めに対策をした方が良いでしょう。
そこで、ハチが巣を作りやすい場所や、ハチの巣の予防方法についてまとめてみました。

目次

ハチが巣を作りやすい場所とは?

ハチが巣を作りやすい場所には、雨風をしのげる、エサ場が近くにある、外敵に見つかりにくいといったポイントがあります。
そして、ハチの種類によって好む場所はさまざまです。

例えば、オオスズメバチやクロスズメバチといった種類であれば、山間部の地中に巣を作る性質があるため、民家などに巣を作ることはほとんどありません。
一方で、同じスズメバチでもキイロスズメバチやヒメスズメバチ、コガタスズメバチといった種類は、民家に巣を作るケースがよく見られます。
キイロスズメバチは、床下や屋根裏といった場所を好み、巣がとても大きなことが特徴です。
ヒメスズメバチはスズメバチの中でも巣が小さいことで知られ、屋根裏や物置、雨戸を収納する戸袋などに巣を作ることがあります。
コガタスズメバチには開放的なスペースを好む性質があり、よく巣が作られるのはベランダや玄関の軒下といった場所です。

また、人の周囲に生息するハチに、アシナガバチやミツバチといった種類がいます。
アシナガバチも開放的なスペースを好み、ベランダや軒下の他、家の外壁などに巣を作ります。
ミツバチは天井の裏や壁のすき間など、閉鎖的な場所に巣を作ることが特徴です。

ハチが巣を作る時期は?

ハチが巣を作り始める時期は、4月から6月頃です。

最初は女王バチが一匹のみで巣作りをはじめ、巣ができると産卵し、仲間を増やします。
この仲間を増やす繁殖期が7月から10月頃となり、ハチが最も活動的になります。
そして冬になると、ほとんどの種類の働きバチは死に、女王も越冬するために巣を出て、枯れ木の中や地中で春がくるのを待ちます。
そしてまた春が来ると、女王バチが巣作りを開始するという繰り返しになるのです。

そのため、ハチの巣ができやすい4月から6月頃は、最も注意が必要です。
ハチがベランダなどによく飛んでくる場合は、ハチの巣を作られないように対策をしましょう。
また、毎年同じ場所にハチの巣ができるというケースも少なくありません。

「冬になったらいなくなるから大丈夫」と思っても、きちんと対策をしないと、毎年ハチによるトラブルが発生する原因となります。
ハチの巣を見つけたら、速やかに駆除するようにしましょう。

ハチの巣はいつできる?

ハチによるトラブル

ハチによる大きなトラブルは、「刺される」ということです。
人の生活圏内に巣を作るスズメバチやアシナガバチ、ミツバチの針には毒があり、刺されることで痛みを感じたり、刺された部分が腫れたりします。

過去にハチに刺された経験を持つ人の場合、「アナフィラキシーショック」と呼ばれるアレルギー症状を起こすこともあります。アナフィラキシーショックの症状には発熱やおう吐などが見られますが、症状が重い場合は、意識不明や呼吸困難に陥ることもありますし、最悪の場合は死にいたるケースも見られます。
ハチは巣やエサ場に近づくと攻撃をしてくるため、自宅に巣を作られてしまうと、洗濯物を干すなど日常生活に危険がともなう恐れがあるでしょう。

また、ご近所から苦情が来るなどのトラブルにつながることもあります。
ハチが巣を作った家の隣の家にもハチが飛び回るようになったり、ハチが巣を作った家が通学路にあったために子どもが襲われたり、といったケースが見られます。

近隣の住人の安全のためにも、ハチが巣を作ってしまったときは、速やかに駆除しましょう。

ハチが来ないようにしよう!予防方法とは?

ハチが巣を作らないようにするためには、対策が必要です。

まず、ハチにはニオイに敏感という性質があり、花や果実、ジュースなどの甘い香りを好んで寄って来ることがあります。
そのため、ベランダや庭に甘い香りのする花を植えないようにする、ジュースが入っていたペットボトルや空き缶を洗わないまま放置しないようにする、などが大切です。
ハチによっては、柔軟剤の甘い香りに誘われてやってくることもあるため、洗濯物の近くにハチがよく来る場合は、柔軟剤を変えてみると良いでしょう。

また、ホームセンターやインターネットなどでは、ハチの対策グッズも販売しています。
目の細かい防虫ネットや、防虫剤などを使うのも良いですし、「木酢液」というハチが嫌う液体も効果的です。
ハチが活動する日中に、小まめに殺虫剤をスプレーしておくのも良いでしょう。

ただし、殺虫剤を使う場合は、ハチに直接吹きつけないようにしましょう。
場合によっては、ハチが攻撃してくることもあるため危険です。
ベランダなど、小さな子どもが出入りする場所で殺虫剤や防虫剤などを使う場合は、子どもが誤って触ったり、口に入れたりすることがないように注意が必要です。
それでもハチが巣を作ってしまったときは、害虫駆除業者に相談すると良いでしょう。

まとめ

軒下や屋根裏などの民家に巣を作ることもあるハチ。
ハチには刺すという危険性があるため、その家に住む人はもちろん、近隣の住人にトラブルが及ぶことがあります。
そのため、ハチが巣を作らないように対策が必要です。

もし、ハチが巣を作ってしまった場合は、自分で駆除をするのは危険です。
安全に駆除するためにも、害虫駆除業者などのプロに依頼してみてはいかがでしょうか。