ハチ(蜂)が活発に活動する時期は、人間への攻撃性も高まる時期です。
特にスズメバチは攻撃性が高く、見つけたらすぐに自分の身を守るための行動をするべきでしょう。

もしも自力でハチ(蜂)を駆除することを考えるなら、できるだけ素早く、そして安全に退治できる殺虫剤を使う必要があります。
殺虫剤に使われている薬剤にはどのような種類があるのでしょうか。それぞれの有効性についても詳しく解説します。

効果が高いのは「ピレスロイド系」の薬剤

近年、多くの殺虫剤に配合されているのが、「ピレスロイド系」と呼ばれる薬剤です。
明治時代に日本に持ち込まれた除虫菊という植物には、「ピレトリン」と呼ばれる成分が含まれていました。
ピレトリンは虫たちの皮膚や口から体内に侵入すると、神経をマヒさせます。
その結果、非常に効率よく害虫を退治することができます。
あらゆる害虫に対して効力を発揮する成分で、「ピレトリン」を基に、薬剤についての研究が進んできました。
近年では、「ピレトリン」とよく似た作用、構造を持つ化合物を「ピレスロイド系」の成分と呼んでいます。

ピレスロイド系の成分を含む薬剤の優れているところは、あらゆる虫に対して、即効性が期待できること。
さらに、害虫にとっては有害な物質であっても、ほ乳類や鳥類に対しては、毒性が低い物質であるということです。
薬剤をハチ(蜂)に向けて噴射すれば、多かれ少なかれ、周囲にいる人の体内にも取り込まれることになります。
しかしその場合でも、ピレスロイドは体内ですぐに分解、排出されてしまいます。
また、太陽の光や空気に触れると分解する性質も持っているため、空間全体も速やかに元の状態へと戻っていきます。

このように多くのメリットを持つ「ピレスロイド系」の薬剤ですが、それぞれの種類によって、微妙に異なる作用を持っています。
ハチ(蜂)の駆除には「ピレスロイド系」の薬剤が用いられることが多いですが、その中でも、どのような特徴を持つ薬剤なのかを事前に知っておくことで、より安全にハチ(蜂)の駆除に取り組むことができるでしょう。

ハチ(蜂)に強いプラレトリン

現在、ハチ(蜂)の駆除剤に用いられる成分として、もっとも有名なのがプラレトリンです。
プラレトリンも、もちろん「ピレスロイド系」の成分の一つ。
プラレトリンが使われた薬剤は、ハチ(蜂)に対して、特に効果が高いものとして知られています。
正式名称は「d,d-T80-プラレトリン」で、殺虫剤の裏にこの記載があれば、ハチ(蜂)に対して効果が高い成分が含まれているということになります。

プラレトリンは、その他の成分を混ぜ合わせて、その効果を増強させているものがほとんどです。
その結果、非常に素早く、ノックダウン効果と致死効果をハチ(蜂)に与えることができます。
ほとんどの薬剤は、「ノックダウン効果」と「致死効果」、どちらかに偏った効果を持っていますが、プラレトリンはその両方を兼ね備えていることが、最大の特徴。
早く、そして確実に相手を駆除することが可能です。

ハチ(蜂)は自身や巣を攻撃されると、仲間と共に一斉にとびかかってくる性質を持っています。
薬剤に触れたハチ(蜂)をノックダウンし、その行動力を弱め、さらに確実に死亡させていけるので、ハチ(蜂)退治のリスクも小さくできます。

持続性のあるトラロメトリン

ハチ(蜂)には、「大切な巣が破壊されると、修復してまた同じところに住もうとする」という特徴があります。
これは、ハチ(蜂)に帰巣本能があるために起こる問題だと考えられています。
ハチ(蜂)が一度でも巣を作った場所というのは、ハチ(蜂)たちの厳しいチェックを潜り抜けた場所だということ。
ハチ(蜂)にとっては、いわば「理想的な条件がそろっている場所」なのです。
少しくらい巣が破壊されたからといって、すぐにあきらめられるものではないでしょう。

また、退治したときには巣の外に出ていたハチ(蜂)が戻ってきて、再度巣作りを始めるケースも少なくありません。
ハチ(蜂)退治をするときには、こうしたハチ(蜂)の特徴を頭に入れて対策を施す必要があります。

こんなときに効果を発揮してくれる成分が「トラロメトリン」です。
トラロメトリンもピレスロイド系の成分の一つですが、持続性があるという特徴があります。
ハチ(蜂)や巣に向かって噴射すると、ピレスロイド系の薬剤ならではの即効性でハチ(蜂)を退治してくれます。
そしてその後、噴射した薬剤は、その場に長くとどまり続けます。
その後数週間から一ヶ月程度にわたって、殺虫効果が持続するため、ハチ(蜂)が再度巣を作るのを予防してくれます。
「何度ハチ(蜂)を退治しても、また同じ場所に集まってくる」という場合には、トラロメトリンが配合されている殺虫剤を選択すると良いでしょう。

即効性のあるモンフルオロトリン

ピレスロイド系の薬剤は、人体には比較的優しいという特徴がありますが、「できるだけ薬剤を使わずに、安全にハチ(蜂)を退治したい」というニーズも高まってきています。
こうした消費者の声に応える目的で、新しく研究・開発されたのが、「モンフルオロトリン」という成分です。
モンフルオロトリンが配合された薬剤は、少ない量で確実にハチ(蜂)に作用するという特徴があります。
噴射量が少なく済めば、その分周辺環境への影響も最小限に食い止められます。

まとめ

ハチ(蜂)の駆除を素早く、そして確実に行うためには、有効成分がしっかりと含まれている薬剤を用いる必要があります。
それぞれの薬剤の特徴を知った上で、自分たちのケースに合う薬剤を選択してみてください。
またあまりにも巣が大きい場合、数が多い場合には、自己処理をあきらめプロに依頼をする勇気も必要です。